ICLR2026参加記 (Journal to Conference)
松井研D2の佐藤です。TMLRに採択された論文、PCF Learned Sort: a Learning Augmented Sort Algorithm with O(nloglogn) Expected Complexityを、Journal to Conferenceという制度によりICLR2026で発表してきました。本記事は、Journal to Conferenceという制度の紹介の後に、ICLR2026参加記が続く構成になっています。
Journal to Conference
Journal to Conferenceは、JMLRまたはTMLRに、J2C Certification/Featured Certification/Outstanding Certificationとして採択された論文を、掲載から2年以内のNeurIPS/ICML/ICLRで発表できる、という制度です(詳しくはこちらの記事などをご覧ください)。ジャーナル型の査読の利点を保ちつつ、会議での発表・交流の機会を与えることを意図して導入された制度のようです。基本的に希望した会議で発表することができますが、それぞれの会議に枠があり、先着順のようです。
私の場合、この論文はTMLRに2025年3月に提出し、10月に採択、11月に掲載されました。採択通知とともにFeatured Certificationが知らされ、その時点で選択できる学会はICLR2026だけでした。少し待てばそれ以降の会議の募集が始まるので、そちらで発表することも可能でしたが、今回の論文の内容はできるだけ早く発表したいと思い、ICLR2026で発表することにしました。結果的に知り合いが多い会議に行けたので、良かったなと思います。
ICLR2026 参加記
ICLR 2026は、日本から見ると地球のほぼ裏側にあたる、ブラジル・リオデジャネイロで開催されました。行きは36時間、帰りは30時間くらいかかり、かなり体力が削られた感覚がありました。ブラジルに行くためには、そして帰ってくるためには、体力が必要だと感じました。また、リオデジャネイロの治安について不安にさせるニュース(学会参加者がUberを待っている間に強盗にあった、など)が度々流れ込んできていたので、常に不安を感じながら生活していました。ICLRからの指示などに従って気をつけて行動したおかげで、トラブルに遭うことなく無事帰ることができました。
今回のICLRは、オーラルとポスターが並行して開催されるスタイルでした。私は主にポスターを回っていました。私にとっては、インタラクティブに質問しながら発表を聞くことができるポスターの方が、得られるものが多いように感じたからです。ただ、同世代くらいの人が大勢の前でオーラル発表している様子を見るとモチベーションが上がったりもするので、そういう目的でたまにオーラルを覗いてみたりもしました。 私の研究分野にがっちり合致するようなポスターはあまり見当たらなかったので、今回は最近勉強しているバンディットアルゴリズムのポスターを見て回りました。大まかなトレンド・雰囲気を知ることができて良かったです:面白い(未開拓で、定式化可能で、実用的な)問題設定を立て、割とシンプルなアルゴリズムを提案し、良い理論保証を得る、という研究が多かったです。
私の発表については、正直ICLRのメインのトレンドからは少しズレた内容だったので不安でしたが、それなりに興味を持った人がちょこちょこ聞きに来てくれました。全体的に優しく建設的なコメントをしてくれる印象を受け、普段匿名の査読者たちから受ける印象とはかなり違うように思いました。多くの人が最後には「かっこいい研究だね」とか言ってくれたりする、いい雰囲気でした。 ポスターの構成については、3年前のNeurIPSでのポスターで文字が多すぎて良くなかったという反省があったので、今回は文字少なめ・図多めで挑みました。結果的に、ポスターにある情報を使って必要十分に説明できたと思うので、今回はこの構成で正解だったのかなと思いました。ただ、他のポスターに比べて文字があまりに大きく、情報量が少ないようにも感じたので、次回はもう少しだけ情報量を増やしても良いかもしれないと思いました。

ポスター発表の様子
多くの日本人の方と交流できたのも良かったです。 山肩研M1の井澤君が日本出身の学生でのご飯会を企画してくれて、学部や修士の頃から積極的にトップカンファにガンガン通す優秀な皆さんとお話しして刺激を受けることができました。 また、東大相澤研で修士をとった後、現在はETHでPhDに進んでいる江頭と再会しました。私は、学部・修士を通して彼に引き離されないように常に意識しており、彼がETHに行ってからもちょくちょく彼のPublicationを確認するなどしていました。今回、彼も私の進捗をこそこそと監視するくらいには私のことを意識していることを知ることができました。これからも彼の良き競争相手となれるように、頑張ろうと思いました。

企業ブースで開催されていた暗算スピード対決で私を破り、高らかに勝ち誇る江頭