松井研M1の佐藤です。NeurIPS2023参加記です。松井先生をはじめ様々な人に助けていただいたおかげで、卒論の内容をNeurIPS2023で発表することができました。

NeurIPS2023はアメリカ・ルイジアナ州ニューオーリンズのErnest N. Morial Convention Centerにて、12月10日から16日まで開催され、私は10日から14日の5日間参加しました。 初めての国際学会で少し不安でしたが、研究室の先生方、先輩方のおかげで、楽しく有意義に過ごすことができました。

初日(12月10日)は、スポンサー企業によるプレゼンやワークショップが行われる、Expoという企画が開催されました。 LLMに関する話が人気で、特に「Smaller models can pack a punch in the era of large language models」という発表は、部屋に人が入りきらないほどの大盛況でした。 LLMに負けないインパクトを与えたい人々の熱意を感じました。

2日目(12月11日)はチュートリアルが開催されました。 個人的には「機械学習を用いて定理を証明する」という内容のチュートリアルが「機械学習を用いてデータ構造を強化する」という私の研究分野と似ていると感じ、印象に残っています。 また、この日「この会議は前方の席を確保することが非常に重要である」と気づきました。 スライドの文字が小さい人が多く、会場も明るめに照らされていたため、前の方の席に座らないとスライドの文字が読み取れないことが多かったからです。 英語の聞き取りに不安がある私にとって、スライドの文字を読み取ることが非常に重要でした。

3日目(12月12日)はオーラル発表とポスター発表がありました。 ポスター会場はかなり広く、一度に約600枚のポスターが展示され、それが3日間の午前午後で計6回、1回あたり約2時間展示されました。 全てのポスターを見て回るのは困難なので、自分の研究分野に近そうなタイトルのポスターをあらかじめピックアップしておき、まずはそれらを見て回りました。 余った時間では、興味深そうなポスターや図が美しいポスターを見て回りました。 このように人を引き付けるためにも、ポスターを見栄えよく作ることは重要だと感じました。 私が見たポスターは理論的な結果を示すような研究が多かったですが、それらのポスターが見やすさや分かりやすさとの兼ね合いをよく考えて作られているのを感じました。 複雑な途中式があるとしても、「問題設定」「なぜその解決(証明)が難しいか」「どう解決(証明)したか」を簡潔にまとめることで、伝えたい内容を保ちながら分かりやすいポスターにすることができると学びました。 また、この日はNeurIPSに参加しているラボメンバーとOB・OGの方々との懇親会がありました。 先生方が今回のNeurIPSをどのように感じているか聞いたり、OB・OGの方々に今後の進路についてアドバイスをいただいたりと、有意義な時間を過ごすことができました。

4日目(12月13日)も引き続きオーラル発表とポスター発表がありました。 この日は2つの印象的な発表がありました。 一つは「Sketching: core tools, learning-augmentation, and adaptive robustness」という招待講演です。 この発表では、ある種のクエリへの回答を可能にしたまま/可能にするために、データを圧縮する手法であるSketchingについて、その基本的な考え方から最近の研究の方向性まで紹介されていました。 この発表の最後の方では、私の研究分野である「学習を用いて既存のデータ構造を置き換える」という話が最新の研究の方向性として取り上げられました。 正直、この分野はまだあまり注目されていないと思っていたので、この発表を聞いてとても嬉しくなりました。 もう一つは、「Sorting with Predictions」というポスター発表です。 これは私の研究分野にとても近い研究で、非常に興味深い結論を示していました。 そして、発表者が私と同年代だったので、大きな刺激を受けました。 彼に負けない研究者を目指そうと思いました。

5日目(12月14日)には私のポスター発表がありました。 初めての英語での発表でしたが、事前の練習のおかげで、ある程度自信を持って発表することができました。 「あなたの研究の要約を教えてください」と話しかけられることが多かったですが、ポスターにSummaryの章を掲載しておいたおかげで、簡潔に伝えることができたと思います。 ポスターを見に来た人との議論は非常に有意義で、今後の研究の方向性を考える上で参考になりました。 余談ですが、英語で「Cool!」などと褒められるのは非常に嬉しかったです。

NeurIPS2023への参加は私にとってかけがえのない経験となりました。 松井先生をはじめ、研究室の先生方や先輩、OB・OGの皆様、友人たちのおかげで、このような経験をすることができました。 この場を借りて、皆様に感謝を述べたいと思います。 この経験を糧にして研究に打ち込み、新たな成果を生み出していきたいと思います。