2026年8月3日から6日にかけて、長崎の出島メッセで開催されたMIRU2026に参加しました。今回は、松井研究室修士1年の鰭崎・関口の2人で、講演や研究室のメンバーの発表を中心に4日間の様子をご紹介します。

1日目

1日目は、午後からチュートリアルと特別講演がありました。チュートリアルでは、スポーツAI、三次元データ処理、大規模視覚言語モデルと文書画像生成という、異なる分野の研究が紹介されました。普段近似最近傍探索(ANN)を中心に研究している自分たちにとっては、画像認識の技術がどのような課題に使われているのかを広く知る機会になりました。

スポーツでの選手の動きの分析から、三次元のシーンの再構成、画像と言語を組み合わせた文書の生成まで、同じ画像認識の分野でも扱う対象はさまざまです。翌日からの研究発表に向けて、それぞれの分野の背景や最近の研究動向に触れられるプログラムでした。

MIRU2026の会場案内
MIRU2026の会場案内

続いて、ソニーグループの光藤祐基さんによる特別講演がありました。創作を支援するAIと、クリエイターや権利者を守るAIという二つの観点から、生成AIと創作の関係を扱う講演でした。生成する画像の品質だけでなく、その技術がどのように使われ、作り手にどのような影響を与えるのかという点もテーマとなっていました。

夕方にはウェルカムレセプションも設けられ、4日間の学会が始まりました。

2日目

2日目からは、オーラルセッションとインタラクティブセッションが始まりました。1日目の特別講演とは異なり、複数のセッションから興味のある発表を選んで聞くことができます。画像認識に関する幅広いテーマの研究が同時に発表されており、どのセッションを聞きに行くか迷う場面もありました。

この日のオーラルセッションでは、同じ研究室の矢島くんが「PINE: 分布内領域での予測一致を保証する決定木アンサンブルプルーニング」について発表しました。ICML 2026にも採択された研究で、研究室のメンバーが大きな会場で発表している姿を見るのは新鮮でした。

矢島くんによる発表
矢島くんによる発表

昼休みには会場近くのスタジアムまで足を延ばし、このブログを書いている2人で佐世保バーガーを食べました。ボリュームがあり、とても美味しかったです。

昼休みに訪れたスタジアム
昼休みに訪れたスタジアム

夜には、MIRUに参加していた研究室の同期で集まって食事に行きました。普段とはまた違った雰囲気で研究や学会の話をすることができ、同期同士の交流を深める良い機会になりました。

3日目

3日目は、高木啓伸さんによる「AIスーツケース」の特別講演から始まりました。AIスーツケースは、視覚障害者が目的地まで移動することを支援するロボットです。画像認識やロボットの技術を実際の生活の中で役立てることを目指した研究で、技術的な仕組みだけでなく、利用者の声や社会実装に向けた課題もテーマとなっていました。

この日のオーラルセッションでは、同じ研究室の深田くんが「HyDE Vector Mix: クエリと仮想回答の重み付き混合による高精度な密ベクトル検索」について発表しました。検索したい質問と、LLMが生成した仮の回答の両方を使うことで、関連する文書を探しやすくする研究です。画像認識に関する発表が多い中で、自分たちが普段取り組んでいる検索にも近いテーマの発表でした。

深田くんによる発表
深田くんによる発表

また、武田さんによる「CIRCLED: 一貫した対話と複数ドメインを備えたマルチターンCIRデータセット」の発表もありました。画像と言葉を使い、やり取りを重ねながら目的の画像を探すためのデータセットに関する研究です。

武田さんによる発表
武田さんによる発表

午後のインタラクティブセッションでは、この2件についてもポスター発表がありました。オーラルで研究の概要を聞いた後に、ポスターの前で詳しい説明を聞いたり質問したりできる構成になっていました。夕方には交流会もあり、研究発表に加えて参加者同士の交流の時間も設けられていました。

4日目

最終日には、池内克史先生による特別企画がありました。 特に印象に残ったのは、観測手法の提案もしながらその実装から実際の世界遺産での観測まで、大規模なプロジェクトとして実行されていたことです。研究のアイデアや装置のスケールの大きさに圧倒されました。 講演中に登場した「体育会系研究」という言葉も印象に残っています。考えるだけでなく、とにかく動いてみるという研究姿勢は、自分自身も大切にしていきたいと感じました。

また、閉会式では表彰がありました。松井研究室からは、2日目にオーラル発表を行った矢島くんがMIRUオーディエンス賞を、3日目にオーラル発表を行った深田くんと武田さんが学生奨励賞を受賞しました。研究室のメンバーがこうした形で評価されるのは素晴らしいことだと思います。皆さんおめでとうございます!

4日間を通して、普段ANNを中心に研究している自分たちは深く触れる機会の少ない画像認識分野の研究を数多く知ることができました。研究室内では身近な分野ではあるものの、画像認識の研究にまとまって触れることのできた4日間はとても刺激的でした。