2023年度松井研卒論生の鬼久保と申します。 本記事はECCV2024の参加記です。

今回は、2024年9月29日から2024年10月4日までイタリアのミラノで開催されたThe 18th European Conference on Computer Vision (ECCV2024)に参加してきました。 その中で、ECCV 2024 Workshop The Dark Side of Generative AIs and Beyondで口頭、ポスター発表を行いました。

イタリアへは羽田空港からドバイ経由でミラノ・マルペンサ空港へのフライトで向かいました。 その道中に事件は起こりました。 ミラノの入国審査の時にどれだけカバンを探してもパスポートが見つかりません。 機内に置き忘れてしまったかと思って歩いて来た方角へ引き返しましたが、飛行機への扉が既に閉鎖されていました。 この時点でかなりテンパってしまっていたのですが、なんとか航空会社のスタッフを見つけて事情を話すと、機内へパスポートを探して来てくれることになりました。 10分くらいその場で待っていると、機内から私のパスポートを持って来てくれて、無事入国することが出来ました。 大事にならなくて良かったですが、これを機に気を引き締め直しました。

無事に戻って来たパスポート

空港からは直接宿泊場所に向かいました。 今回の学会は同期の奈良くんとM2の東さんの3人での参加で、広めのアパートの1室を借りてシェアしました。 近年の円安やインフレで海外のホテル相場がかなり高騰しているので、複数人でシェアハウスを借りるというのも選択肢の一つに入れてみて良いのではないでしょうか。 ホテルより割安でキッチンや洗濯機も完備されていたので、とても快適に過ごすことが出来ました。

アパートのリビング: 3人でも十分な広さで、快適な1週間の滞在でした。

翌日からECCVのワークショップが始まりました。 私もHigh-Frequency Anti-DreamBooth: Robust Defense against Personalized Image Synthesisというタイトルで発表を行いました。 本論文はECCV 2024 Workshop The Dark Side of Generative AIs and Beyondのcontributed talkに選出されたため、ポスター発表に加えて口頭発表を行いました。 プレゼンテーションはスクリプトを見なくても自信を持って発表できるように練習してから臨んだので、危なげなく発表することが出来ました。 発表後に、先行研究のAnti-DreamBoothの著者の方に”Good job”と褒めていただけたのがとても嬉しかったです。

ポスター発表の様子

2日間のワークショップの後、10月1日から本会議が始まりました。 今年のECCVは約7000人もの人々が参加し、2000本以上の論文が採択されました。 下のグラフからも分かるように会議の参加者数は年々増加しており、コンピュータビジョン分野が盛り上がりを見せていることがわかります。 また新型コロナウイルスの影響も落ち着き、ほとんどの参加者が対面で参加していることも特筆すべき点です。

ECCV参加者数の推移

本会議では、3つの大ホールが用意され、それぞれで並行して口頭発表が行われました。 その後、1つの大きなスペースで企業展示とポスター発表が行われました。 特に数千人の人々が一堂に会して行うポスターセッションは圧巻でした。 コンピュータビジョンの中の様々な分野のポスターが並んでいて、それらを見て回るだけで各分野の研究動向を追うことができ、とても有意義な時間でした。

ポスター会場の様子

総じて、今回ECCVに参加したことで研究に関する刺激をたくさん受け、今後の研究に対するモチベーションも大きく上がりました。 本研究を行うにあたり、厚く指導していただいていただいた松井先生や日頃研究の相談に乗っていただいた研究室のメンバーに改めて感謝いたします。 また会議やワークショップを開催していただいた主催者及び関係者の皆様にも御礼申し上げます。 今後も研究活動に励み、より良い研究ができるように一層精進していきたいと思っております。